AIの高度化よりもコスト低廉化のほうが脅威 シンギュラリティ前夜04
AI(人工知能)のコスト低廉化によって私は失業する
AIの能力がシンギュラリティ(技術的特異点)に到達するころに職を奪われる可能性があるのは、医師・弁護士・司法書士・通訳・翻訳・作曲家・臨床検査技師・重機オペレーターといったアーティスト・専門職・特殊技能職の人たちです。
一方、労働者の大半を占める販売員や一般事務職・工場要員といった職業はどうか?というと、ずいぶん前の段階ですでにAIの能力が人間をうわまわっています。私を含めて大半の人はとっくの昔にAIに負けてしまったということです。私が現在行っている仕事も、AIに任せようと思えばできないことはありません。
ではなぜ私の職務がまだ存在し、失業せずにいるのか?といえば、それはひとえに AI導入コストよりも私の給料のほうが安上がりだからなのではないかと思います。少なくとも現在のところは私の仕事をそっくりAIに置き換えるには莫大な費用がかかり、それと比べて私の生涯賃金のほうがずっと安いだろうと思います。
低賃金労働者のほうが生き残れる?
つまりもし AIに仕事を奪われたくなかったら、賃上げなど期待せずむしろ給料が上がらないように祈って末永く薄給に甘んじていればよいのです。AI導入にかかるコストよりも自分の給料のほうが安ければとりあえず失業の可能性は低いからです。逆に、給料が高ければ AIに職を奪われるリスクも高くなります。つまり多くの労働者にとって驚異となるのはAIの能力が上がることではなく、この先AI導入のコストが低廉化していくことです。AIは「人工知能」ですから人間の側の「頭脳労働」にはなんのアドヴァンテジもありません。武器になるのは「低収入」です。
人間のほうが低コストならシンギュラリテイ後も生き残る?
既に技術的にはAIに置き換えることが可能であるとしても、AIを導入するより人間が従事するほうがコスト面で有利な分野は多数存在し、これからも当分残るのではないかと思います。ゴミ収集、ビル清掃、工事現場の誘導警備、水道修理、エアコン設置作業などです。
またそれら以外の職業であっても、賃金が安ければAIよりも低コストとなるわけですから職業としては残ります。たとえばの話ですが、最低賃金法を改正して、「雇用者側は最低賃金以下の条件を提示できないが、労働者側が望む場合には法定最低賃金よりも低い賃金で労働契約をしてもよい」とすれば 労働者はAIに対して価格競争を挑むことができます。仮にそうなると大半の人は、失業して公的給付にたよって生活するのがいいか、それともほとんど搾取労働的な低賃金であっても労働対価を得るほうがよいかを選択することになります。家族を食べさせるために失業を選択したり、自己実現のために搾取労働を選択したりということになるかも知れません。
シンギュラリテイ後も残る高収入の職業
比較的高収入の職業でありながらAIよりも人間のほうが優位を保つだろうと思う職業があります。それはキャバクラのキャバ嬢、ホストクラブのホスト、そして風俗嬢です。これらを置き換えるロボットも出現するとは思いますが、最初の頃は人間による さびすとほとんど同価格かそれ以上であり、それならばロボットよりも人間によるサビスを好んで選択する人のほうが多いと思われるからです。シンギュラリテイ後の歌舞伎町では、ホストクラブやキャバクラに入るときに入り口で最初に「人間がいいですか?それともロボットがいいですか?」と聞かれるようになるかも知れません。ススキのや天神では客引きが「人間いますよ」と声をかけてくるかも知れません。
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