花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに(小野小町・古今集)

花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに(小野小町・古今集) 


この歌を読むと、遠い昔の アニメ主題歌の一節を思い出す。 

「過ぎてく時間はこわくない、輝きを失うことが嫌なのです」 

松本零士さん原作、新竹取物語1000年女王 の主題歌「コスモドリーム」の一節である。 


花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 

いたづらに わが身世にふる… 

小野小町は、輝きを失ってゆくことを嘆いているのだろうか? 

それとも、時間が過ぎてゆくことを当惑し恐れているのだろうか? 


両者は一つのことであるように感じる人が多いのだろうと思う。 

けれども僕は、人としての輝きを失ってゆくことの哀しみと、時間が過ぎてゆくことへの恐れはまったく別のものであるようにとらえる。 


それはたぶん、アニメ1000年女王の主題歌の影響なのだろうと思う。