人の話を聞かないで自分だけ話し続ける人 英会話サークルに出没する困った人たち 02

他人の話を聞かずに自分だけ話し続ける人が世の中にはたくさんいます。そしてそういう人たちも英会話サークルに姿を現します。 


私が以前参加していた某英会話サークルで常連の一人であった50歳代とおぼしき男性は、毎回のように会話を独占し、他の参加者が見せるひんしゅくの気配などお構いなしに時間いっぱい喋り続けていました。「マイクを握ったまま放さない」タイプの人です。またその話の内容というのが、かつての自分がいかに活躍していたか、自分の海外体験がいかに豊富であるか、といった武勇伝をたどたどしい英語で延々と語ります。同じグループには4人ほどの参加者が座っているのですが他の参加者の話を聞こうとはしません。グループの中に、気を利かせてその人が会話のバトンを他者に譲るよう促す人もいるのですが、ようやく他の参加者が話はじめても、それを遮って、あるいはそれに覆いかぶさるようにしてバトンを横取りしてしまうのです。


さらにその人はフリートークの時間いっぱい会話を独占してなお飽き足らず、テーマトークの時間になっても武勇伝を語り続けます。テーマトークの時間の最後には、グループごとに話し合った内容を全員の前で発表しなければならないので、この人のいるグループはその時になって困ることになります。ところがその人は発表の時間になるや否やはっと我に返ったようにおとなしくなり、自分は発表する役を決して引き受けずに他者に押しつける、というたちの悪い行いを毎回繰り返していました。


そういう自分勝手な人を英会話サークル(or英語サークルor英語勉強会etc)で見かけるたびに、私は「この人は普段からこういう人なのだろうか?それとも、自分が蕩々と話すことの快感を得るという目的で英語サークルにやって来るのだろうか?」と思ってしまいます。しかし、いずれにせよこの人たちは「他者に興味がない」のだろう、と結論します。


私は、外国語を学ぶことの意義は結局のところ他者への興味ではないか?と思うのです。他の参加者がどんな人なのか?どんな仕事をしているのか?休日には何をして過ごすのか?好きな本、音楽、スポーツは何か?…自分とは異なるバックグラウンド、自分の持たない知識や経験、自分の中に育まれてきたものとは異質の感性や世界観…、たとえどんなに人生経験を積んだ人であろうとも、他者から学ぶことはたくさんあるのです。反対に、自分の話したい放題話しつづけ、他者の話を聞こうともしない人というのは、おそらく自分の経験や知識に対して自信過剰であり、それに比べて他者の経験や知識など取るに足らないと思っている高慢な人なのではないか、と私はどうしても思ってしまいます。


シリーズ 英会話サークルに出没する困った人たち

file 01 序章

file 02 人の話を聞かないで自分だけ話し続ける人

file 03 他者が興味を持てない内容を話す人

file 04 差別・偏見をあらわに話す人

file 05 差別・偏見をあらわに話す人2

file 06 下ネタおやじ