差別・偏見をあらわに話す人 英会話サークルに出没する困った人たち 04

英会話サークル(or英語勉強会or英語クラブetc)において、ごく稀ではありますが、傍から見て偏見としか言いようのない歪んだ認識にもとづく持論を蕩々と語る人に遭遇します。偏見・差別の矛先は特定の宗教、民族、性別、性的マイノリティ、ときには特定の職業であったりします。


あるとき、グループの中に看護師の方がいらっしゃいました。セッション冒頭、それぞれが自己紹介をする中で彼女が職業を明かすや否や、その方の向かい側にすわっていた高齢の男性が堰を切ったように大声で話し始めました。日本語にすると以下のような内容です。「昔の看護婦は文字通りの白衣の天使であったが、最近の看護師はプロ意識だかなんだか知らないがサービス精神に欠ける。新しい医療機械を扱うのには長けているようだし、専門知識も豊富なようだが、そもそも病院において医療の専門家は医師だけで十分だ。看護婦は入院中女性と接する機会を持てない男性入院患者のコンパニオンであるべきだ…」


私は聞いていて耳を疑いました。私自身の英語力が不足していて内容を曲解しているのか?あるいはその高齢男性の英語がおかしいのか、そのどちらか、あるいは両方だろう、と思いましたし、そうであって欲しいと願いました。ところがその人はなおたたみかけるように「第一、最近の看護婦には美人じゃないのがいる。なぜ器量のない人が看護婦になれるのか?」と、聞くに堪えない、失言としか言いようのない発言を続けました。しかも、そのテーブルには現役の看護師がいらっしゃるのにも関わらず、です。


そこには女性蔑視の感覚が顕著でした。高齢であるとはいえ「古い思想に染まっているのだろうから仕方が無い」などと看過できるようなレベルではなく、女性のみならず男性にとっても不快きわまりない言葉でした。冗談というにしても品性を欠いていました。


その人は、常日頃 対等の立場で他人と話し合う機会が少なく、自分の考え方がスタンダードなものなのかどうかを知ることができないのかも知れません。あるいは単に、自分の考えに絶対的な自信を持つタイプの人なのかも知れません。


シリーズ 英会話サークルに出没する困った人たち

file 01 序章

file 02 人の話を聞かないで自分だけ話し続ける人

file 03 他者が興味を持てない内容を話す人

file 04 差別・偏見をあらわに話す人

file 05 差別・偏見をあらわに話す人2

file 06 下ネタおやじ

file 07 異性目当てに(ナンパ目的で)来る人

file 08 議論をふっかけてくる人

file 09 無断で退出してしまう人